天宮(あめのみや)神社の例大祭は毎年4月第一土曜・日曜日に行われ、両日とも舞楽は行われので、私は7日の日曜日に見に行った。

 

森町のHP」によると、舞楽は、16時から始まが、その前にもいろいろな行事があるようなので、11時半ごろ車で家を出て、12時半ごろ神社に到着。

 

神社の駐車場は桜が満開。


まずは参拝。

 

 

 

天宮神社は、宗像三女伸を祀る。

 

 

 

とりあえず、境内と付近を散策する。

 

御神木は、「竹柏(なぎ)」。樹齢1300年。

 

 

 

境内摂社の「多賀社」に供えられた神饌。

 

 

神社は小高い所にあるが、参道を下ると、神社のすぐわきに清水次郎長一家の「寿司食いねえ」で有名な「森の石松」の養家、「新屋旅館」がある。

 

 

もう少し歩き、「太田川」にでると、対岸の堤にも桜が満開で美しい。

 

 

境内へ戻って、屋台のたこ焼きを買って車に戻り、持参した缶ビールで花見をしながら腹ごしらえする。

 

13時から「神幸行列」がでるのでそれを見物してから、また車に戻って舞楽が始まる15時半前まで横になって一休み。

 

で、「十二段舞楽」

 

 

 

社務所でいただいたパンフレットによると、

 

「慶雲二年(705年)に勅願による社殿造営の折、京都から藤原綾足が神官として赴任し京人により奉納舞楽が行われて以来、連綿と継承されている。

舞楽の構成は十二段、一番延舞の天地鎮めの舞から戦のない平和な世界を祈念する五番太平楽までが神仏への供養の舞である。六番新靺鞨以降は入調の舞楽で観衆の娯楽の舞になる。最後の獅子伏せで宇宙の悪霊を退散させて舞楽が終わる。」

 

舞は、拝殿前の舞殿で舞われ、楽屋と橋でつながれ、囃子方は楽屋で舞台に向かって奏する。

 

一番 延舞(えんぶ)

 

稚児二人が鉾を持って天地・八方・舞台を祓い清め、舞楽の開始を告げる。舞楽法要には必ず最初に行う。

 

https://youtu.be/KEyWb7pcJN8

 

二番 色香(しきこう)

 

古くは菩薩という。曲は極めて流麗。日輪・月輪を背負い結いと冠を付けた菩薩面をかけ左右に対峙。サンジョウ(桴;ばち)を持ちゆるやかに舞う。仏の舞ともいわれる。江戸時代にはこの舞人のみが神幸の列に加わっている。

 

 

三番 庭胡蝶(ていこちょう)

 

極楽浄土に舞う蝶を現す。蝶がゆっくり舞い遊ぶように舞う。額に手を当てるのは蛹を想定している。方羽根を交互に開き羽化した蝶の誕生を現し、生命の継承を祝う。番い(つがい)舞は鳥名。

 

https://youtu.be/4D1QkYc3_Hw

 

四番 鳥名(ちょうな)

 

極楽浄土を想定。蝶と共に、極楽鳥が舞う姿を現す。花開き鳥謳う幼青年期の姿である。子孫を残し、連綿と継承する世を現す。庭胡蝶と同じ服装である。曲には破と急がある。

 

https://youtu.be/5MsWR3YYDok

 

五番 太平楽(たいへいらく)

 

天下泰平・五穀豊穣・平和であることを祈り、鉾、太刀で舞鎮める。最後の「太刀の一人舞」は中央では断絶した一場面である。

 

https://youtu.be/J_bLRnAhDo4

一人舞い 


https://www.youtube.com/watch?v=_hi7v5sCFAY&t=38s

 

ここまでが舞楽法要の曲である。

 

六番 新靺鞨(しんまか)

 

本来靺鞨(まつかつ)は、中国東北部族になる。当宮では、四人の童舞。茶を帯びた淡い黄色の袍(ほう)を着て笏を持つ。笏をヘラともいい、この舞をヘラともいう。

 



ここで
30分の休憩になり、私は車に戻り、カップ麺とコーヒー。

 

境内へ戻ると、拝殿で儀式が始まり、巫女の舞があったので見に行ったが、すぐに舞殿のほうでも演目が始まったのであわてて舞殿のほうへ戻る。

 

日も暮れて、ぐっと雰囲気が良くなる。

 

七番 安摩(あま)

 

蔵面(ぞうめん)という紙で作った面をかぶり、海人族の精霊舞を舞う。右手に笏を持ち、手足を大きく開いて舞う様は優雅。「唱歌」を口ずさみながら舞う。

 

 

八番 二の舞(にのまい)

 

安摩と番になる、神の真似をする翁と媼(おうな)は何度真似をしても上手くいかない。人の真似をしようとするが上手くいかないことを「二の舞を踏む」という諺は、この舞が起源であるという。「じいさ・ばあさ」と呼ばれて親しまれている。

 

 

九番 陵王(りょうおう)

 

本来は蘭陵王と呼ぶ。龍は雨を呼び、天宮は降雨ほど良いことを祈る宮で、太田川の水利水運信仰は天宮(宗像三女神)信仰そのもの。

 

 

十番 抜頭(ばとう)

 

稚児の一人舞い。最も華やかな舞いとされ中央舞楽の抜頭とは異なる。(日曜日の)本舞のときはこの稚児を楽屋に連れ返そうとする抱き込み役と舞児による稚児合戦(ザットラボー:座頭の坊)が行われる。

 

お昼から舞楽の最中も大勢の稚児が境内にいたが、ここで出番があった。

 

稚児たちがねじった手ぬぐいで抱き込み役の大人をけっこう力いっぱいで滅多打ちにして楽しそうだ。

 

 

十一番 納曽利(なそり)

 

陵王と番い舞。中国の納曽(なっそ)地方を淵源とする。「笛の狂いは舞人を苦しめ、舞の躓きは笛方を困らせる」といわれるほど難しい。

 

 

十二番 獅子(しし)

 

悪魔調伏と五穀豊穣を祈る。序・破・急の三部に分かれ、中入り後八方舞・追込舞は勇壮且つ華やかに最高潮に盛り上がる。

 

「獅子伏せ」が獅子を鎮めると紙で鼻をかみ、これに使った紙を見物人が争って拾う。この神は、風邪除けのお守りになるのだそうだ。

 

 

21時過ぎにすべての演目が終了、帰路についた。

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天宮神社の十二段舞楽